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SFDC:Salesforce導入の流れ - Part 6

Salesforce導入の流れのPart6です。今回はSales Cloudで重要なオブジェクトの用途について紹介します。

SalesCloudのオブジェクト

CRMとSFAの仕組みを構築できるSales Cloudのオブジェクトについては下記のイメージとなります。

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他にも契約オブジェクトや注文オブジェクトなどSales Cloudで利用できる機能はいくつかありますが、上記のオブジェクトをベースに適切なシステム構築すれば機能追加が発生しても大きな軌道修正が必要になることはほぼ無いと思います。

個人取引先について

Salesoforceの取引先(顧客情報)は基本的に法人が前提となっています。もし個人のお客様(B to C)が対象のビジネスを行っている場合は個人取引先の機能を有効化しましょう。


個人取引先有効化の流れと有効化の際に必要になる機能についてはこちらです。


通常の個人顧客の情報を扱う際に取引先と取引先責任者をApexトリガやワークフローなどを駆使して個人取引先っぽく扱うやり方もありますが、基本的にはSalesforceが個人顧客の管理のために用意した個人取引先機能を使うことでデータを綺麗な形で拡張性も低下させずにシステム構築が可能になります。

オブジェクトの用途について

リード

リードは新規顧客開拓で見込み顧客としての情報を管理するためのオブジェクトです。下記のイメージで利用します。

  • 見込み顧客の連絡先情報をリードとして登録する。
  • 登録されたリードに対して担当者がコンタクトする。
    • 自社製品(サービス)に興味なし => リードの状況を見込みなしとして連絡時の記録を残す。(別担当者の二重連絡を防止する)
    • 自社製品(サービス)に興味あり => 取引の開始機能をつかって取引先に変換する。以降は商談や活動を作成して定期的に営業先として管理する。


新規顧客の開拓についてはリードで管理。顧客として確度が高くなってからは取引先で管理といった運用で利用できると思います。

取引先(法人)

顧客の会社情報を管理するためのオブジェクトです。

取引先責任者

顧客の情報を管理するためのオブジェクトです。取引先が会社情報、取引先責任者が会社に所属する人の情報を管理するイメージです。取引先責任者は取引先と併せてマーケティング製品のPardotやService Cloudのケースオブジェクトと連携される重要なオブジェクトとなります。

個人取引先

サポートに有効化を依頼することで利用可能となる少し特殊なオブジェクトです。取引先と取引先責任者を一つにまとめる形でデータ管理が可能となっています。パッと見は1つのデータですが、裏側の部分では、「取引先」+「取引先責任者」+「連携用の仕組み」と3つ分のデータの消費が発生する仕組みだったと思います。この通常よりもデータの消費量が多い部分を見て、個人取引先は使わない選択をするケースがありますが、基本的にはデータの綺麗さを優先して個人取引先を利用したほうが良いと思います。
※個人取引先は、取引先と取引先責任者どちらのデータとしても扱える優秀なデータです。

商談

営業案件の情報を管理するためのオブジェクトです。Sales Cloud導入の一番の目的はこのオブジェクトをつかった業務の可視化と情報共有になると思います。商談は取引先に紐付く形で管理されます。また売上予測機能との連携などSalesforceの機能の中心となる機能だと思います。

商談商品

商談と商品を紐付けて管理する情報が商談商品オブジェクトです。ここでいう商品とは、自社が販売している製品やサービスといった情報です。商談自体に金額を入力するための項目が用意されていますが、最終的にはこの商品を紐付けると金額の自動計算が行われて商談の金額にセットされます。サブスクリプションモデルの商品の管理など一部の条件では扱いが難しいオブジェクトとなりますが、Salesforceの活用の狭めないためには、利用は必須となる機能だと思います。

取引先責任者ロール

商談は取引先とは関連付けがされますが、取引先責任者との直接の紐付けはありません。この商談と取引先責任者の関連付けを実現できるのが取引先責任者ロールオブジェクトとなります。取引先責任者ロールはPardotの利用時に顧客情報と商談情報の関連付けを行う際にも必要となります。そのため重要なデータの一つではありますが、データ入力が抜けやすい箇所でもあります。最低一つの取引先責任者が取引先責任者ロールとして登録されれば分析で活かせるため、何かしら自動でデータが登録されるような仕組みがあると良いと思います。


以上がSales Cloudの中でも重要なオブジェクトの利用イメージです。まずは今回紹介のオブジェクトをつかって適切にデータ管理できる仕組みを構築することがSalesforceの導入での重要なポイントになると思います。