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SFDC:B2C向け組織での取引先と取引先責任者の登録について

セールスフォースでは取引先と取引先責任者のオブジェクトをつかって顧客を管理できます。基本的には取引先の企業と担当者を登録して利用される想定のオブジェクトですが、B2C向けで顧客を登録するときは企業情報は登録しないことが多いと思います。


企業情報は不要な場合でも取引先責任者を登録する際には取引先が必須になりますので、顧客名を入力した取引先情報を作成する形になると思います。
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このような運用を行う場合に運用開始前にやっておきたい設定があります。レコードタイプの設定です。
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B2C向けの事業を行っている企業でも、他の会社と取引がないということはおそらくないと思います。例えば次のような例が考えられます。

  • システム開発会社に社内システムの構築を依頼する
  • デザイン会社にWebサイトのデザインを依頼する
  • 電話やインターネット環境などを社内設備の購入やメンテナンスを依頼する

こんな感じでいろいろな企業との取引があると思います。レコードタイプで種別を分けることで、こうした企業の連絡先を取引先と取引先責任者に登録して管理できるようになります。


レコードタイプを分けないとビューやレポートで情報が混ざってしまい適切な管理ができなくなりますが、例えば「個人/法人」という感じで分けたりすることで、どちらの情報も適切に管理できると思います。
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既に運用が始まっている組織で後から上記の法人情報も登録したくなったが、開発部分にどんな影響がでるか分からなくて対応できない...という状況もあると思います。その場合はレコードタイプのデフォルト設定を利用することで解決できると思います。


デフォルトのレコードタイプを設定しておけば未指定の場合に自動でそのレコードタイプが設定されます。これにより既存のApex処理に影響がなくレコードタイプの仕組みを追加することができます。
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もちろん思わぬ影響がでてくることも考えられるのでいきなり本番環境に追加するのではなく、Sandbox環境で検証が必要になります。検証時にはテストクラスをつかって今まで動いていた部分が動かなくなっていないかの確認ができると思います。


運用開始後に追加するにはかなりの労力が必要になるので、運用開始前に検討しておくのが一番いいと思います。ちなみにセールスフォースにはB2C向けの顧客情報を登録するために、個人取引先の機能が用意されています。取引先と取引先責任者をひとつにまとめることができる機能でデータ登録がシンプルになります。
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有効化にはセールスフォースのサポートチームに連絡が必要なのと有効化後に無効化ができないなどのルールもあるのでよく検討してから有効化する必要があります。

個人取引先および法人取引先の制限


必要に応じて検討しておくとセールスフォースをより活用しやすくなると思います。