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SFDC:Pardotでハマったところ - プロスペクトの上限について

PardotはSalesforceのMA製品で主にB2Bをターゲットとした製品です。
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B2Bマーケティングを自動化で支援 - Pardot(パードット) - セールスフォース・ドットコム


エディションによって利用できる機能が多少異なりますが、どのエディションでも共通の制限があります。プロスペクト数最大10,000の部分です。
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各種エディションと料金-Pardot - セールスフォース・ドットコム


最初あまり気にしていなかったのですが、この上限10,000件はおそらくあっという間に突破すると思います。Salesforceに登録されたリード/取引先責任者は原則自動でPardot側に同期されるためです。この10,000件を超えてしまうとPadotのホーム画面にアラートが表示されます。またメールでの通知も届きます。内容としては10日以内に10,000件以内に収まるように対応しないとメール送信不可となるとのことでした。

対応方法

アラートが表示されてからSalesforceのサポートに問い合わせしてみました。プレミアプランではない場合はだいたい1日〜2日で返答があります。その後の問題の解決まではプラス2日〜4日ぐらいかかると思います。


サポートに問い合わせした結果解決方法としては下記の二点での対応になるみたいです。

  • ①Pardotから不要なプロスペクトデータを削除する
  • ②Pardotのプロスペクトをオプトアウトしてメール不可状態にする。


①のプロスペクト削除ですが、Pardot側で削除した場合、Salesforce側の同期処理で自動で復元されることはないとのことです。削除対応後に気づいたら復元されて容量オーバーが再発するケースは起こらないことが確認できました。


②のメール不可状態の件ですが、プロスペクトの上限というのは「メール可能な」プロスペクトの件数で判定されるとのことです。なのでメール不可状態にしておけば10,000件を超えても問題なく、更にスコアリングやグレードの集計なども実行されるとのことでした。


個人的にPardotのスコアリングやグレードの機能は使いたい機能だったので、削除ではなくメール不可状態にして対応したいと思いました。ですが、その際に問題となったのがオプトアウトを手動で設定したものと顧客側で配信停止リンクなどからオプトアウトしたものが区別できるかという部分でした。ここが区別できないといつかプロスペクトを整理してメール送信可能な状態に戻したくなっても、本当に戻していいプロスペクトか判別ができません。どうやって管理すればいいか問い合わせしていたのですが、10日という期限が迫っていたこともあり、今回は削除で対応することになりました。。(良い案があれば知りたいです。)


ちなみにPardotからプロスペクトの一括削除はチェックボックスと削除アクションで実行できますが、オプトアウトの一括変更機能は用意されていませんでした。こちらもサポートの方に相談したところ、オートメーションルールなどを用意しての対応が必要になるみたいです。この部分も調査に時間が掛かりそうなのがネックでした。

制限緩和オプションについて

上限の10,000件ですが、オプション購入で制限を緩和することができます。営業の方に相談したところ、10,000件単位で利用可能な件数を追加できるみたいです。(値段等正確な情報は担当営業の方に実際にお問い合わせ頂くのが良いと思います。)

その他の考慮事項

サポートとは別の経緯で教わった情報ですが、Pardotへの同期対象を特定のデータのみに絞って実行する方法があります。Pardotの同期は指定したユーザ権限をつかって行われます。そのため下記の手順で制限することで対応可能です。

  1. リードと取引先責任者を非公開にする
  2. 共有設定などで同期用ユーザに特定の条件に一致するデータのみアクセス権限を付与する。
  3. アクセス権限が付与されているデータのみが同期の対象となる。

URLを忘れましたがSalesforceのヘルプページにも記載されていたので公式的なやり方です。この方法を取り入れようかと考えたのですが、取引先責任者とリードの非公開設定にする必要がある部分で諦めました。(このあたりの仕様もPardot導入時点で検討する内容に含めておいた方が良さそうです。)

まとめ

Pardotのプロスペクト上限問題は必ず遭遇すると思います。実際の顧客情報が10,000件未満だとしてもそれ以外の取引先などの情報がSalesforceに登録されることで、10,000件を超える可能性が高いです。Pardot導入を検討しているタイミングの場合は営業の人にどのように対応するのが良いか相談しておくのが良いと思います。個人的にはどうしてこのあたりの対処方法が公式でまとめられていないんだろ...って気分になりました。(オプトアウトとは別にPardotのメール送信除外フラグがほしい。。)